2番(蔵野恵美子君)                            
それでは、平成23年度一般会計決算、4特別会計決算、水道事業会計決算に賛成の討論を行います。

 平成23年度予算では「地域の力を育み自治の未来を拓く」を柱とした予算編成でありましたが、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故により、被災者・被災地への支援と共に、地域防災への関心、かつてない節電への取組み等により、偶然にもテーマにありました「地域の力を育む」ことにつながる結果となりました。

また、今回の審議の中で非常に印象的でありましたのは、これまでの被災地・被災者支援・防災訓練・勉強会等の市職員の方々の取組みであります。

以前の一般質問の御答弁でも、派遣職員の方たちによる職員向けの報告会には、多くの職員が参加し、市職員の意識の啓発・向上につながり、職員の自発的な取り組として、有志が募って週末を利用したボランティアバスパックを組織して、支援活動を行っているということを伺いました。

また、被災地の方の受け入れだけではなく、武蔵野市内を案内するツアーなど、きめ細かな心の通うような取組みもなされ、市内在住の被災者の方々からの感謝の言葉を聞くことができているということ。

こうした様々な取組みにより、土日もなかなか休みが取れない状況であっても「公務員冥利に尽きる体験ができた」、「かけがえのない体験ができた」という前向きな感想が出ているというご答弁はとても印象に残りました。

市職員の方々の日々の取組みに心から感謝し、敬意を表したいと思います。

さて、平成23年度決算に関しましては、一般会計の歳入は、前年比に比べ16億9,974万3,000円で(2.7%)減少し601億1,892万2,000円となり、歳出は21億6,313万7,000円(3.7%)減少し、569億7,082万6,000円となりました。

歳入・歳出ともに前年度を下回りましたが、歳入の柱である市税は、市民税・固定資産税ともに増加したことから、前年比に比べ7億2,199万6,000円(2.0%)の増加となっています。

懸念材料であった東日本大震災による影響は大きくは見られなかった一方、リーマショックからのゆるやかな景気の回復を、大枠では感じることができました。

財政全般では、財務諸表にも示されるとおり、健全な状態であると認識いたしました。財政力指数は、単年度は1.434となり、前年比に比べ0.01ポイント低下、3年間の平均は1.483となり、前年度に比べ0.064ポイイント低下したものの、全国では2番目に良好な結果となっております。

その他、公債費負担比率は5.8%で前年比0.2ポイント上昇、経常収支比率は86.2%と前年比に比べ2.4ポイント低下し、良好な数値を保っていることが確認できました。

しかしながら、今後も大幅な増収の期待要因があるわけではないことを考慮し、歳入・歳出の堅実な舵取りを引き続きお願いしたいと要望いたします。

次に、各項目別に、いくつか述べさせていただきます。

健康・福祉分野におきましては、高齢者訪問相談事業に305万円を支出し、独居高齢者調査や生活機能チェックリストの未回答者等を対象に、在宅支援に関する調査訪問を1軒1軒行われたことを評価いたします。昨年は、独居高齢者等の孤独死が社会問題とされました。小規模自治体武蔵野市といえども、地域の力だけでは見落としがでてくる部分もあるかと思います。引き続き丁寧な視点でのご対応をお願いしたいと思います。

また、子宮頸ガン予防、ヒブ、小児用肺炎球菌の各ワクチンの接種費用助成に1億1,447万円支出したこと、子宮がん検診、乳がん検診についての、受診率向上への積極的な取組み、検診の経費として1億2,298万円を支出したことを評価いたします。

小児予防接種に関しましては、審議の中でもありましたが、市のHP・接種の案内等には最新のリスク情報を掲載していただきたいと思います。特に法定外予防接種における事故の報告が続き、保護者たちは「果たして法定外予防接種まで受けさせるべきか」戸惑うことがあったと聞きます。最新の正確なリスクデータを掲載することで、保護者の判断材料となりますので、お願いしたいと思います。

さらに、テンミリオンハウス7ヵ所においてミニデイサービスや緊急ショートステイ等に9,015万円を支出、家庭介護支援事業では、在宅介護を支援するサービス等に1,577万円を支出、認知高齢者支援事業に851万円支出したことを評価いたします。

厚生労働省によると、2010年9月末時点での認知症高齢者数280万人から、今年8月24日時点で305万人とする推計を発表しました。

今年2月28日第1回定例会一般質問でも取り上げましたが、今後ますます成年後見制度の必要性も増してくると考えます。現在のところはまだ小さな取組みかもしれませんが、潜在的な必要性も考慮し、市長申し立て含め、着実な取組みをお願いしたいと思います。

さらに、みどりのこども館での「こども発達支援室ウィズ」、「地域療育相談室ハビット」「おもちゃのぐるりん」事業に8,686万円を支出し、配慮が必要な子どもたちやその家族を支援する事業への取組みを評価したいと思います。

また、「おもちゃのぐるりん」は、あまり知られていませんが、4歳児以上の未就学児の遊び場としての役割を担っております。4歳以上になると基本的に0123施設は卒業となります。幼稚園・保育園が休みの日などの室内の遊び場が市内には少ない中での貴重な存在であります。引き続き充実した取組みをお願いしたいと思います。

障害児の日常生活の充実と保護者の介護負担の軽減するための放課後活動の場の提供に2,976万円の支出も評価したいと思います。

子ども・教育分野におきましては、まず、全小中学校空調設備設置事業について評価いたします。
設置済みの千川小学校を除く小学校11校、中学校6校に設置された空調施設費は、9億720万円となりましたが、昨今の猛暑事情を考えると、必要不可欠な設備です。

また、学童クラブ事業については、土曜日の開所試行について評価いたします。

また、一般質問でも取り上げましたが、土曜開所だけではなく、国立・私立小学校の児童受け入れもスタートしていることも評価致しますが、公立学校のスケジュールにのみ元づいた運営体制は、実はまだ平等な施行とはいえません。

西東京市では、学童がスタートした時点から、少数の利用者であっても、前日までに届けをだせば開所をするという学童職員の柔軟な勤務体制ができています。
武蔵野市ではなぜこのような柔軟な勤務体制ができないのか、何が問題なのか、引き続き注目していきたいと思います。

待機児童対策としましては、「賃貸物件を活用した緊急待機児童対策事業」グループ保育に2352万8千円を支出したことを評価いたします。
しかしながら、2012年8月時点で市内待機児童は124名であり、この5年間で2倍以上も増加しています。

待機児童のほとんどが2歳児以下であることを考えると、民間の活力を生かした認証保育所やグループ保育所の増設が有効であることはこれまでも述べて参りましたが、そこで問題となるのは公立保育園との料金格差であります。この格差是正の提案については2011年12月の一般質問で取り上げましたが、認証保育所には保護者へ助成金はでますが、それでも公立保育園との金額差は埋まらず、また、グループ保育に関しては助成金がでません。

この制度のままでは、認証保育所やグループ保育を増設しても、最も利用の可能性の高い、公立保育園の入所審査から外れたパート勤務家庭や就職活動中の家庭、資格取得に向けて学校に通っている家庭が、その保育料の高さから結局は入所を断念せざるをえず、一方、夫婦正規社員の共働きの収入の多い家庭が、公立保育園の恩恵を受けるという矛盾が生じる結果になります。

審議の中でもでましたが、現在保育料審議会が行われておりますけれども、武蔵野市の公立保育園の位置づけを明確にし、さらに、入所選考基準の見直しを含めた根本的な検討をお願いしたいと思います。くれぐれも認可保育園の保育料の値上げをするだけの料金格差の是正という安易な方向にはならないようお願いしたいと思っております。

行財政分野についてですが、審議の中で最も多く取り上げられました「財政援助出資団体」の派遣職員等の人件費等のコストについてです。

武蔵野市では、柔軟な形での効率的な公共サービスの提供のためとし、多くの財政援助出資団体を設立し、市職員を派遣し、またOB職員を役員としています。市派遣職員は計画的に解消することになっているということでありますが、多数の職員派遣は、他市には例を見ない方式であり、コストについてわかりにくい仕組みもあるためか、「武蔵野市の財団って要するに天下り団体でしょ」という市民からの声が新人議員の私のところにも入ってまいります。

人件費が前年度に比べ15億3,727万3,000円減少した要因のひとつとして、子ども協会への保育園委託、給食食育振興財団への事業委託があります。
今回の審議の中で、各財団の職員の構成や給与平均が明らかになりました。引き続き市民にわかりやすい、間違った誤解を招くことのないよう、明確な情報提供が必要であることを再度述べておきます。

最後に、一点、気になりました事項は、前回の「平成24年度予算委員会の討論」でも申し上げた事務事業の削減項目の「ひとり親家庭住宅費助成事業」についてです。

見直しの必要性の理由として、本制度施行当初にはなかった子ども手当等の子育て世帯全体への経済的支援の充実が図られたという趣旨の記載がありますが、ほかの経済的支援との関連をもう少し詳しく分析し、その結果の公表をお願いしたいと思います。

また、近隣では、東村山市、国立市、東久留米市でのみ実施とありますが、平成20年の総務省の住宅・土地統計調査では、民営借家の一ヶ月当たりの平均家賃は、武蔵野市は8万3,079円で、都内26市の中でダントツの1位であり、2位の三鷹市7万8,101円と約5千円もの差があり、3位の調布市7万4,048円とは約9千円もの差があります。

また、そもそもこの事業には所得制限があること、市営住宅や福祉型住宅の募集には優遇措置があるものの、なかなかあきが出ないため、実際の入所は不可能に近い現状があることを十分に考慮した上での検討を再度お願いしたいと思います。平成24年6月25日の建設委員会の行政報告では、市営住宅について、ここ10年間を平均すると、年間2戸前後ぐらいしか異動がないという御答弁もありました。

この制度が廃止になってしまえば、武蔵野市に住み続けられなくなるひとり親家庭は確実にでてくると思います。 今回の審議の中で、市長は「武蔵野市は裕福な世帯だけではなく、そうでない世帯も多く、二極化がみられる。両者が暮らしやすい制度を考えていきたい」という御答弁がありました。また、第5期長期計画のまちづくりの視点の一つに「多様性を力にしよう」とあります。様々な世帯が暮らしていける武蔵野市への取り組みとしても、この削減は再検討をお願いしたいと要望します。

以上、傍聴という立場でしたので、この場においてさまざま要望も含め申し上げましたが、課題はあるものの、平成23年度決算は、健康・福祉分野の充実に加え、公共事業の計画的実施、東日本大震災への対応、防災事業への取組み等、概ね着実にまた健全な実施であることが確認できましたので、全体としては了とし、賛成の討論といたします。