2番(蔵野恵美子君)                            
 それでは、平成25年度一般会計予算、4特別会計予算、水道事業会計予算に賛成の討論を行います。

総括としましては、  平成25年度予算では「確かな未来へ 活力と創造性のある都市をつくる予算」を柱とした予算編成とあります。全体的には、「活力と創造性」というテーマに見合う、大きく特徴的な新規事業は見受けられないように感じますが、第五期長期計画の各分野に掲げられた施策を着実に推進する編成であること、ひいては活力と創造性の礎となるであろうことを確認することができました。

また、今回の審議の中では、2月末の痛ましい事件、吉祥寺の強盗殺人事件を通して、我々は、この現実をどう受け止めなければならないかという議論が様々な視点で行われました。 理不尽で残忍な事件であり、本当にご冥福をお祈りするばかりですが、事件現場にある市議会としての立場から、この事件から私たちができることを検討する必要があると考え、以下少々述べたいと思います。

審議の中では、まず、防犯カメラ・パトロール等の防犯体制の強化、警察との連携強化等の要望がありました。短期的視点においては、そういった施策の強化はもちろん大切でありましょう。

しかしながら、事件のあった大正通り、中道通り付近には監視カメラの設置も徐々に進んできており、地域の方たちのパトロール体制もある程度あった中で起こったということも事実であります。

つまり、防犯体制が充実し、また、どんなに「住みたい街、住んでよかった街」であっても、事件は起こってしまうということを、私たちは心に留めておかなければならないのだと思います。

もう少し事件の要因を掘り下げてみますと、今回は未成年の17歳・18歳の少年が引き起こした事件であり、審議でもありましたが、長期的視点においては「教育」の重要性が考えられると思います。

教育長のご答弁にもありましたが、被害者にならないための「安全教育」、加害者にさせないための「道徳教育や生活指導」の大切さです。

今回の残忍な事件は、決して許されることではありません。しかしながら、人間には誰にも弱い部分もあり、色々な要因が重なると、ふと「命を軽んじる」ような行動や「魔が差してしまう」行動をとってしまう可能性は誰にでもあるのも事実であると思います。そこを抑え、正しい判断ができるということも含めた教育、「人間力」を育む教育がますます学校でも家庭も求められると思います。

教育費においては、そういった人間としての「コア=基軸」となる部分を育めるような予算編成を期待したいと強く要望いたします。

次に、各分野において、いくつか述べますと、
健康福祉分野については、新規事業として障害者実態調査、拡充事業として権利擁護事業の拡充、障害者への相談支援体制の強化等を評価したいと思います。
実態調査により、障害者やその家族のニーズを的確に把握し、サービスの向上につながることを期待します。
また、権利擁護事業については、かねてよりその重要性を述べてきました「成年後見制度」の利用支援体制の充実ということで、大いに期待しております。

子ども・教育分野におきましては、課題等については後にのべますが、まずは、新規事業として、泉幼稚園跡地利用施設の建設、認証保育所2園の誘致、校舎体育館非構造部材耐震化工事への取り組みについて評価いたします。

泉幼稚園跡地には平成26年7月の開園になりますが、ひろば機能とグループ保育機能、早朝・夜間・宿泊を含む一時保育サービス機能の展開ということで、きめ細かいニーズに対応した子育て支援としての役割を大いに期待しているところであります。
また、拡充事業として小中学校ICT教育の推進、特別支援学級の運営の充実として井之頭小学校への通級指導学級の設置を評価いたします。

市民生活分野に関しましては、災害への備えの充実について評価いたします。
耐震アドバイザー派遣事業、緊急輸送道路建築物耐震化促進事業、防火水槽新設工事、災害用トイレの整備、自主防災組織への支援等の充実が盛り込まれております。
地域での防災意識は低下することなく継続されています。
防災訓練のたびに新たな課題が見つかっております。ぜひとも様々な地域の声を拾い、的確な備えの充実に協力いただきたいと思います。

緑環境分野に関しましては、PPS導入の拡大を検討いただきたいと思います。現在市内には市民文化会館においてのみ実施しておりますが、先般の一般質問において、節電効果見込みは年間250万円ということ、武蔵野市の入札による事業者の選定には、環境を配慮した選定項目があること、また、安定供給が不可能な場合には、東京電力に切り替わるシステムになっていることが分かりました。

現状、特に問題がないようでしたら、次の対象施設の検討を早い段階でお願いし、節電・環境の向上、供給源の分散化によるリスク分散へのさらなる取り組みをお願いしたいと思います。

行財政分野におきましては、事務事業の見直し、職員定数適正化、補助金の見直し及び枠配分予算の実施に伴い、4億483万円の経費削減に努められたことを評価したいと思います。 一方で、審議の中では、削減の内訳がわかりにくい、30億円ほどの委託料に含まれる隠れ人件費への指摘や、事業を外部化することで、純粋な人件費の削減額が見えにくくなっているという指摘がありました。

是非、この点に関しては、市民の関心も高い部分かと思いますので、明確で分かりやすい、また統一した情報提供をお願いしたいと思っております。

また、ホームページの運営事業の拡充についても評価いたします。市のHPのスマートフォン端末への対応及びソーシャルメディアの更なる活用などにより、必要な情報が必要なときに得られることにつながります。

ひいては、市民が本当に必要としている情報を、タイムリーに発信することも求められてまいります。
ぜひとも市民目線での情報提供をお願いしたいと要望いたします。

以上、各分野について述べましたが、今回の新規施策、また審査の中で気になりました事項を以下述べたいと思います。

まずは、認可外保育施設入所児童保護者助成金事業についてです。
この事業は従来、認可外保育施設のうち、認証保育所・保育ママに児童を預けている家庭へ、3歳未満児月額2万円、3歳以上児月額1万円の助成金を支給するというものでした。

今回の改訂で、助成対象施設に、グループ保育室を加えたこと、助成額を一部2万円から3万円としたこと、また、三歳以上児への助成金を2万円から1万円へ減額という、実態にそぐわない減額の廃止などにより、一部、認可保育園との料金格差が是正されることは評価いたします。

しかしながら、今回の制度は、「所得に応じて」助成金の支給額がかわります。
新保育料金表で確認しますと、3万円の支給を受けられる世帯は、A〜C3階層の世帯収入がおおむね330万円以下の世帯、2万円の支給はD1〜D15階層のおおむね330万円以上930万円前後世帯、1万円の支給はD16〜D19階層のおおむね930万〜1130万円前後の世帯、そして世帯収入がおおむね1130万円以上の場合、支給はゼロとなります。

以上のような新制度では、「認可保育園と認証保育所の保育料格差の是正」を第一の目的とうたいながらも、その目的に適さない、または適さないどころかかえって格差が拡大する世帯が生じるという、不十分な制度改正であり、大いに再検討をお願いしたいと要望いたします。

まず、審議の中でも様々議論されましたが、再検討の理由を述べますと、
@今回の格差是正は、3歳未満児の保育料格差に焦点をあてたものであり、三歳以上児の料金格差の考慮はしていない。そのため、事情があって3歳以上で認証保育所に通所している世帯では、3歳以上児の保育料が大幅に減額となる認可保育園との料金格差は依然埋まらない。

A認可保育園では、すでに兄弟2人目以降の減額制度があり、また新たに第3子減免制度が設けられるが、認証保育所の場合、そのような制度はない。したがって兄弟で認証に通っている世帯では、認可保育園との格差は埋まらない、それどころか、助成金減額の世帯では、さらに格差が拡大する世帯もでる。

B昨年行われた、保育料審議会の答申では、15年間変わらなかった認可保育園の保育料を見直すと同時に、あわせて認証保育所等の認可外保育施設との料金格差是正も記してある。 認可保育園の保育料改定で約3600万円の歳入増となるとのことであるが、今回の助成金に対する予算は9574万円で、平成24年度の補正を含めた予算額7326万円から2200万円ほど増額になっているだけである。保育料審議会からの経過・目的からしても純粋な「拡大事業」といえるのであろうか。予算額としてもさらなる増額があってもいいと考える。

これまで、一般質問等でのべてまいりましたが、本来、根本的な料金格差を実施するのであれば、認可保育園の入所審査の見直しから始まり、認可保育園と認可外保育施設の料金体系を同じにし、差額分を事業者に助成するというのが正確な方法と考えます。

しかしながら、現状では難しいとの判断から、助成金支給という形での格差是正に取り組んでおられるのも理解できるわけでありますが、新制度によって、逆に格差が広がる世帯がでてしまうことには、やはり不十分な制度であると思わざるを得ません。

保育課の試算では「約6割の世帯が2万円以上の支給となる」ことからの実施と伺いましたが、逆にそれ以外の方のほとんどは、これまでの支給より少なくなる、もしくは支給がなくなるということであります。

さらに申しますと、認可保育園の保育料は、保育時間が11間までは延長料金が加算されませんが、認証保育所等の場合、基本保育料は8時間までの料金が設定されており、8時間以上になると保育料金が加算されていきます。そのほか、入園金等の諸費用もかかるわけです。

そういった性格の違った料金体系において、限られた部分を取り上げての認可保育園と認証保育所の保育料金の「逆転現象」を理由に、助成金額を決めるのは、あまりにも短絡的な判断であると考えます。 このテーマについては、長くなりますので今回はこの辺でやめておきますが、「6割の世帯がみたされるから」という行政の視点が果たして市民の納得できるものであるとは到底思えません。新制度によって、減額・支給ゼロになる世帯については、是非納得の得られる説明をしていただくとともに、制度自体の見直しを強く要望いたします。

次に、待機児童対策についてであります。
質疑の中で、平成25年度の武蔵野市の緊急待機児童対策として、
上半期には、グループ保育の拡充で20〜30名の定員増、下半期には建設が中断している境こども園の開園で約35名、桜堤児童館・市民会館での保育40〜50名等の100名超の待機児童受け入れという、具体的な方針を示されたことは評価したいと思います。

しかしながら、待機児童対策に関しては、ここ数年、他の議員からもあらゆる場面において質問があり、また、社会情勢や、武蔵野市の人口統計からいっても、待機児童の向こう数年の増加は、大いに予測できた事態であったかと思います。そういった問題提起があったにもかかわらず、4月の開園に間に合わないとはどういうことでしょうか。

また市長は、待機児童対策に関しては「待機児童ゼロを目指す」とおっしゃっていますが、本気でゼロを目指しているのであれば、今年度4月に何が何でも間に合わせるという行政サイドのガムシャラ感が感じられません。杉並区や足立区、大田区などで、母親たちが区に意義申立をしたというニュースで、あわてて重い腰を上げたようにすら感じます。

横浜市では、市長を中心に保育所を増設するなど、問題解決に徹底的に取り組み、日本一だった待機児童は、ゼロを目前にしているといいます。
こうした取り組みなしに「ゼロを目指す」と公言されるのは、行政不信にもつながることと考えます。

境こども園の建設が中断されたことは、想定外のことではありましたが、それを考慮したとしても、4月の開園には間に合わないというご説明、後手後手の対応にはどうにも納得のいかないものがあります。待機児童対策にかかわらず、想定外を想定し、二の矢、三の矢を用意しておくのは、市民生活を預かる行政には大切な視点であります。
各自治体でも待機児童対策に関しては重点的に取り組まれていると見受けられます。武蔵野市でも早急に対応していきませんと、今度は保育士の不足によって開園ができないという可能性も考えられます。
とにもかくにも、一日もはやい開園を要望します。

最後に「学童クラブ」の開園時間についてです。
この件に関しましても、様々な場面で取り上げてきましたが、開園時間をせめて19時までに拡大していただきたいと思います。毎回なのですが、今回のご答弁でも「18時以降に児童が一人で帰宅するのはいかがか」という進展のない理由がでましたが、南町コミセンでは、ボランティアの方が「保護者のお迎えを条件に」、19時まで預かってくださっており、特に問題はないときいています。

また、公立小学校以外の児童の休日に合わせた開館も、西東京市などの自治体は、前日までの事前申請で、学童スタート時から問題なく運営されているとのことでありました。
対象人数からいっても、大きく予算が増額になることとも思えません。
「放課後施策推進協議会」の判断でということでありますが、果たして行政側から、協議会へ、コミセンや他自治体の取り組みへの視察等のご提案はされているのでしょうか?
具体的に取り組まれている事例を参考にすれば、解決できる課題であると思いますので、是非とも積極的な姿勢でお願いしたいと要望します。

以上、傍聴という立場でしたので、この場においてさまざま要望も含め申し上げましたが、平成25年度予算は、課題はあるものの、冒頭で申し上げたように、第五期長期計画の各分野に掲げられた施策を着実に推進する編成であること、健康・福祉分野の充実、実施時期の遅れの問題はあるものの待機児童対策への明確かつ具体的な方針、防災施策の充実、下水道整備全般の計画的実施等、概ね着実にまた健全な計画であることが確認できましたので、全体としては了とし、賛成の討論といたします。