蔵野恵美子君                            
それでは、平成24年度一般会計決算、4特別会計決算に賛成の討論を行います。

 平成24年度を振り返りますと、東日本大震災を踏まえての災害対策、防災意識、原子力エネルギーへの危機感、将来のエネルギー問題への関心が引き続き高まりました。昨年12月の政権交代に伴う期待感、緊急経済対策の政策効果による経済回復の兆しが見え始めた1年でもありました。また、年度末には、平成25年2月に発生した吉祥寺殺傷事件に見られるように、犯罪の低年齢化への危惧と吉祥寺安全神話の崩壊という事態もありました。さらに、杉並区等の待機児の母親たちのデモに象徴されたように、待機児童数の増加が社会問題となる中、武蔵野市では待望の境こども園の建設事業者の倒産による工事のストップという事態もありました。

 こうした社会情勢を踏まえ、今回の審査に当たりましては、「自治と連携を育み、新しい都市像を開く予算」と位置づけられた第五期長期計画の初年度として、新たな、かつ着実な一歩を踏み出しているかに加え、冒頭に述べたようなさまざまな不測の事態にも迅速に対応してきた1年であったかという視点を持ち、傍聴に臨みました。

 まず、財政全般では、財務諸表にも示されているとおり健全な状態であると確認いたしました。また、他自治体との比較においても安定した財政状況にあることがうかがえます。引き続き健全性が確保できるようお願いしたいと思います。ただ、審議の中でもありましたが、理想が70から80%と言われる経常収支比率が88.8%ということで、警戒値の90%に近づいていることは看過できない点であると思います。歳入増加の工夫と経常的な経費の節減をお願いしたいと思います。

 また、財政力指数が昨年同様、1位の浦安市に続いて武蔵野市は2位というお話でしたが、市民の実感としては、その恩恵がわかりにくい部分もあります。前回の市報にありましたように、この分野においては1人当たり幾ら税金が使われているなどの実感が持てる掲載、周知をお願いしたいと思います。基金の積み立てにおいても、武蔵野市では向こう20年間で1,600億円の大型投資による都市リニューアルが必要であるためということをわかりやすくお伝えくださいますようお願いいたしたいと思います。

 以下、各分野について述べます。

 健康・福祉分野に関しましては、まず、妊婦健康診査の拡充として35歳以上という年齢制限を撤廃し、すべての妊婦が公費助成による超音波検査の受診が可能となったことを評価したいと思います。その結果、受診者数が平成23年度の339人から平成24年度には1,040人と3倍に増加し、妊婦の健康管理に大いにつながったことと思います。また、審議でもありました、妊婦歯科健診を集団健診とは別に個別診断も追加したことで受診率が倍増したという報告がありました。そういった工夫や柔軟性を今後とも取り入れていただきたいと思います。

 また、以前、がん検診の重要性について述べましたが、今年度事業として、がん検診受診率向上事業として、受診率向上に向けた意識調査を実施し、データの収集をされたことを評価いたします。ぜひとも調査結果を受診率の向上につなげていただきたいと思います。

 また、休日の救急医療についてはまだまだ課題があると感じます。市報の掲載を少しずつ変えてくださっているとのことですが、以前に一般質問で取り上げたときとの違いをさほど感じないのと、結局、担当医が不在で何軒かの病院を当たらないといけないという現実は変わっていないと感じました。緊急でなくても、病気の中、複数の病院に問い合わせ、また、移動することは大変なことです。ぜひともスピーディーに診察にたどり着ける案内と体制を何とか検討していただきたいと思います。

 また、今後の要望としましては、障害者支援に関してであります。国の支援体制もおくれているという現実もありますが、ぜひとも自治体の中で解決していける部分は積極的に取り組み、支援の充実を図っていただきたいと思います。障害者支援という市場原理の成り立ちにくい分野こそ、大いに行政、政治的支援が必要であり、行政のセーフティネットとしての役割を発揮していただきたいと期待しているところでございます。

 続きまして、子ども・教育分野についてでございます。学童クラブ事業として土曜日開所、泉幼稚園跡地におけるすくすく泉の建設準備を評価いたします。すくすく泉では、グループ保育機能、一時保育サービス機能のほか、子育てひろば機能にも注目しております。0123以上あそべえ以下の4・5・6歳の未就学児の遊び場が少ない現状に貢献してくれることを期待しています。

 特別支援教育推進事業による専門家スタッフの派遣、特別支援学級の運営事業を評価いたします。厚生委員の勉強会において、特別支援学級のさらなる充実の必要性を大いに感じております。引き続き支援の充実をお願いしたいと思います。

 また、緊急待機児童対策としてグループ保育室どんぐり、北町保育園建てかえに伴う定員拡大を評価いたします。冒頭でも述べましたが、平成24年度は待機児童の増加がクローズアップされた年度でありました。境こども園の建設が中断されたことは想定外のことではありましたが、それを考慮したとしても、社会情勢や武蔵野市の人口統計からいっても、待機児童の向こう数年の増加は大いに予測できた事態であったかと思います。平成25年4月時点の待機児童数が181名と増加したことは、対策のおくれを指摘せざるを得ません。また、今回の市長選の公約で待機児童ゼロを第一に掲げ、3期目の当選を果たされた邑上市長に大いに期待したいと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、文化・市民生活です。やはり今年度は東日本大震災を受けての災害への備えの充実が挙げられると思います。民間住宅耐震診断助成事業、耐震改修助成事業、地域防災計画の見直し、帰宅困難者対策、災害用トイレの整備等、さまざまな充実を図られたことを評価いたします。また、女性消防団員の採用がスタートし、審議の中では、10名まで増員する予定とのお話もありました。子どもたち、特に女子生徒への人命救助に対する啓発にもつながることを大いに期待しております。

 また、平成25年2月に発生した吉祥寺殺傷事件を受け、登校時の見守り強化、平成25年4月からのミッドナイトパトロールの発足につなげ、駅周辺地域の安全対策の継続を評価いたします。  緑・環境分野におきましては、公共施設への再生可能エネルギーの導入、第五中学校に太陽光発電システムを設置したことを評価いたします。また、LED街路灯事業として24年度は計65基のLED化を図りました。着実な環境負荷の低減、省エネが進んでいることを確認できました。

 都市基盤分野におきましては、下水道の再整備事業を初め、配水管の新設や耐震化、クリーンセンター設備改修工事等、着実な事業の進行を評価いたします。

 最後に、行・財政分野です。審議の中では、財政援助出資団体のあり方についての議論が多くありました。今回の市長選においても、財政援助出資団体の人件費が大きな争点となりましたが、外郭団体の職員数がふえて人件費が約15億円増加したが、同時に市役所職員を5年間で117名削減し、給与削減も行ったので、人件費は約25億円減となり、総人件費は10億円ほど減っているという大変わかりやすい説明が一定程度市民に届いたのではないかと思っております。御説明のように、具体的な数字でいただくと大変わかりやすいと思います。ただ、審議の中で感じたことは、社会の変化に対応して形を変えていく団体であることと、現在、確たるあり方は検討段階のため、現状、総人件費は減っていますが、今後の人員計画や見通し等、なかなか難しいのではないかと感じております。引き続き注目していきたいと思います。

 以上、傍聴という立場でしたので、この場においてさまざま申し上げましたが、市民の担税力に支えられた健全な財政力を柱とし、第五期長期計画の初年度としての着実な取り組みと、おおむね不測の事態にも対応してこられた1年であったことが確認できましたので、全体としては了とし、賛成の討論とさせていただきます。

 最後になりましたが、決算審査に当たりまして、多くの職員の方々の御尽力に改めて感謝申し上げます。