2番(蔵野恵美子君)                            
ただ今上程となりました、陳受26第5号「手話言語法(仮称)の制定を求める意見書の提出に関する陳情」に賛成の立場から討論いたします。

私は、今回の陳情を受けるまで、ろう学校で手話の授業がないということを存じませんでした。 当然ろう学校では手話の授業が設けられていると思っていたわけでありますが、現状は、自分たちの母国語である言語についての文法、表現力、歴史、文化などを学ぶ機会がないということに驚きました。

また、手話のできる先生もわずかであり、全ての授業が手話で行われてるわけではなく、口話(こうわ)による授業が大半であるという現状も初めて知ることができました。 つまり、子どもたちは、周囲の手話のできる人たちから独学で手話を学ばなければなりません。その結果、環境や状況によって、手話の習得に差がでてしまうことになり、習得の違いがコミュニケーションや学校の授業にも影響を及ぼすことになっている状況が理解できました。

手話言語法が制定されれば、私たちが「国語」で日本語の理解を深めるのと同じように、ろう学校では日本語と手話の二つの言語を授業として学ぶことができるようになります。手話で授業を受けられるようになり、生徒と先生、生徒同士のコミュニケーションもスムーズにとりやすくなります。

また、委員会における行政側との質疑において「手話通訳者派遣と、手話言語法制定後の本市への影響」について質疑させていただきました。この点について少し触れたいと思います。 手話通訳の派遣事業は、全国的には、手話通訳の配置や派遣、その条件等に統一的な基準がないため、すべてそれぞれの自治体の判断となっています。厚生労働省によると平成22年度の手話通訳者派遣事業の実施率は74%とのことですが、手話通訳の配置や派遣、その条件、サービス内容などは自治体ごとにバラバラであります。

本市での手話通訳派遣事業は、所得制限なく、また利用者の費用負担もなしで行われており、取組について評価しております。

本市では、平成25年度では、手帳を持っている聴覚障害の方は103名、手話通訳者が27名、そのうち手話通訳士という資格を持っている方が10名でありますが、通院の付き添い、保育園の入園手続き、各種契約手続など、生活に必要な場面で利用されており、利用回数は平成21年度の114回から平成25年度の275回と2倍以上に増加しており、その必要性の高さが伺えます。

手話言語法の制定による影響についての答弁では「制定後は、派遣事業へのさらなる啓発効果が期待できる、また、派遣事業については今まで通り行う」旨を確認させていただきました。

手話言語法が制定されれば、全ての自治体に手話通訳が常時配置されることになり、手話通訳派遣の条件も全国的に統一され、自治体間での格差は解消されます。また、ろう者だけでなく、聞こえる人もろう者と話したいときに、手話通訳を派遣してもらえるようになると言われています。通訳士の需要も拡大し、全国的に不足されていると言われている手話通訳者の養成や人材確保について抜本的な改善につながることも期待できるわけでございます。

小学校低学年時に読んだ伝記「ヘレンケラー」の感激はいまでも鮮明であります。ヘレンは、今から134年前の1880年に誕生し、2歳(生後19か月)の時に聴力、視力、言葉を失い、話すことさえ出来なくなってしまいました。その後、恩師サリバンとの出会いがあり、約50年にわたるサリバンの支えもあり、教育・社会活動・著作などの分野で活躍した人物として、今でも語りつがれております。

小学生の当時は、当時の不充分な福祉環境の中にありながら、訓練の厳しさを乗り越えることができた並々ならないヘレンの努力と忍耐力に、ただただ感銘を受けたわけでありますが、今、この陳情を受け、物語を振り返ってみますと、本人の努力はもちろん大きな要因であったと思いますが、サリバンとの出会いと、その教育を受けられる家庭環境があったからこそという、ヘレン自身が持っていた背景の要因も大きかったことに気がつくことができました。

「手話言語法」の制定により、手話が音声言語と対等な言語であることを広く国民に広め、聞こえない子供・大人ともに手話を身に付け、手話で学べ、自由に手話が使え、更には手話を言語として普及、研究することのできる環境が整備されることを期待します。

そして、ろう学校においても手話教育が行われ、個人の環境に左右されることのない教育環境が整い、ヘレンケラーが決して特別な存在ではなくなる社会となることを願い、賛成の討論とさせていただきます。